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ー目次ー

【芝浦工業大学 共通】

1 建学の精神

社会に学び、社会に貢献する技術者の育成

芝浦工業大学の源は、1927(昭和2)年、有元史郎が創設した東京高等工商学校です。前身校の時代から芝浦工業大学が継承、堅持しているのが実学重視の技術者育成教育であり、これに建学の精神は根ざしています。  有元史郎が唱えたのは「現代文化の諸相を教材とし、社会的活動の意義を体得する教育」でした。この実学主義の教育により、実用的な知識と技術を併せ持って技術立国を担う技術者、しかも高い倫理観と豊かな見識を備えた優れた技術者の育成に取り組み、芝浦工業大学は社会の進歩発展に貢献してきました。  この建学の精神を継承し続けるべく「世界に学び、世界に貢献するグローバル理工系人材の育成」を教育の理念として、世界で活躍できる人材育成に取り組んでいます。


2 教育研究上の目的

本学は教育基本法及び学校教育法の定めるところにより、学術の中心として深く工学の研究を行い世界文化に貢献し、併せて広く一般の学術教養と専門の工業教育を施すことにより、学生の人格を陶冶し、学理を究めさせ体位の向上を図り、もって優秀なる技術者を養成することを目的とする。(芝浦工業大学学則 第1条)


3 ディプロマ・ポリシー

芝浦工業大学は、理工学の基礎知識及び幅広い専門分野の知識を活用して、持続型社会の実現のために世界の諸問題を解決できるとともに、建学の精神に謳われる社会に貢献する理工系人材にふさわしい能力を有し、卒業要件を満たしたものに学位を授与します。

1. 世界と社会の多様性を認識し、高い倫理観を持った理工系人材として行動できる。 2. 問題を特定し、問題解決に必要な知識・スキルを認識し、不足分を自己学修し、社会・経済的制約条件を踏まえ、基礎科学と専門知識を運用し、問題を解決できる。 3. 関係する人々とのコミュニケーションを図り、チームで仕事ができる。


4 カリキュラム・ポリシー

芝浦工業大学は、学位授与の方針に掲げる知識・スキル・能力・態度を修得させるため、講義、演習、実験、実習により体系的にカリキュラムを編成します。学生の主体的・能動的な学修・研究を促す教育方法を実施し、その学修成果を多面的に評価し、学生の振り返りを促すことにより、学修・教育到達目標を達成します。


【Ⅰ デザイン工学部の教育方針】


1 デザイン工学部の教育研究上の目的とポリシー

【教育研究上の目的】

デザイン⼯学部は、より良い社会を追求するために、現実の課題発⾒と解決のみならず、未知の課題を想像し、新たなアイデアを提案できるデザイン⼯学技術者を養成します。そのために、教育プログラムを通じて、デザイン思考・デジタル技術・協創の3つの能⼒を育成します。


【ディプロマ・ポリシー】

デザイン⼯学部は、現実の課題発⾒と解決のみならず、未知の課題を想像し、新たなアイデアを提案することで、より良い社会を追求できる⼈材の育成に取り組みます。そして、以下の能⼒を⾝に付けて卒業要件を満たした者に、学位を授与します。

<aside> <img src="https://prod-files-secure.s3.us-west-2.amazonaws.com/82657aff-73a5-42bc-8bed-bffbabe86d0a/5d4e6ea8-eb09-4b39-be25-7c282cfde5c5/1.jpg" alt="https://prod-files-secure.s3.us-west-2.amazonaws.com/82657aff-73a5-42bc-8bed-bffbabe86d0a/5d4e6ea8-eb09-4b39-be25-7c282cfde5c5/1.jpg" width="40px" /> 専⾨教育の修得に必要な基礎学⼒・教養⼒

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<aside> <img src="https://prod-files-secure.s3.us-west-2.amazonaws.com/82657aff-73a5-42bc-8bed-bffbabe86d0a/3be58e47-f697-45d4-923f-17b9a39f66a0/2.jpg" alt="https://prod-files-secure.s3.us-west-2.amazonaws.com/82657aff-73a5-42bc-8bed-bffbabe86d0a/3be58e47-f697-45d4-923f-17b9a39f66a0/2.jpg" width="40px" /> 常識に囚われず疑問を持ち、利⽤者の視点から課題を想像できるデザイン思考⼒

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<aside> <img src="https://prod-files-secure.s3.us-west-2.amazonaws.com/82657aff-73a5-42bc-8bed-bffbabe86d0a/f142c228-3019-4f59-a0b3-2cb6e6cab34e/3.jpg" alt="https://prod-files-secure.s3.us-west-2.amazonaws.com/82657aff-73a5-42bc-8bed-bffbabe86d0a/f142c228-3019-4f59-a0b3-2cb6e6cab34e/3.jpg" width="40px" /> 社会実装を念頭にアイデアを提案し、具現化できるデザイン⼯学の専⾨知識とデジタル技術⼒

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<aside> <img src="https://prod-files-secure.s3.us-west-2.amazonaws.com/82657aff-73a5-42bc-8bed-bffbabe86d0a/c9b00bb6-7c68-4f03-9f91-0962f9cdf904/4.jpg" alt="https://prod-files-secure.s3.us-west-2.amazonaws.com/82657aff-73a5-42bc-8bed-bffbabe86d0a/c9b00bb6-7c68-4f03-9f91-0962f9cdf904/4.jpg" width="40px" /> 多様な意⾒を積極的に収集し、⾼い倫理観を持って課題解決に向けて他者と協働できる協創⼒

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【カリキュラム・ポリシー】

デザイン⼯学部は、ディプロマ・ポリシーに掲げる能⼒を⾝に付けるため、以下の教育課程の編成、教育内容・⽅法と学修成果の評価に基づいた教育を実施します。

(教育課程の編成)

デザイン⼯学を体系的に学修できるよう、教育課程を「共通科⽬」「専⾨科⽬」「プロジェクト科⽬」に区分し、科⽬を以下のように配置します。

共通科⽬は、「教養科⽬」「英語科⽬」「⼈間中⼼科⽬」「産業・社会科⽬」「データ・サイエンス科⽬」「リサーチ科⽬」の細区分で構成します。専⾨科⽬は、「デザイン科⽬」「⽣産⼯学科⽬」「ソフトウェア科⽬」「知能・制御科⽬」の細区分で構成します。

(教育内容・⽅法の実施)

全体

共通科⽬

専⾨科⽬

プロジェクト科⽬

(学修成果の評価)


2 デザイン工学部の教育方針とカリキュラム

【教育方針】

現在の社会は多様化かつ複雑化し、SDGsなどの困難な課題が山積しています。また、デジタル技術を始めとする技術の進展は日進月歩であり、その変化の激しさに人々は戸惑っています。一方で、多くの製品やサービスは成熟し、利用者は特に不便や問題を感じているようには見えません。そのような時代においては、課題を発見し解決して行く力に加えて、まだ具体化していない未知の課題を想像し、新たなアイデアや方向性を提案できる人材が求められます。

デザイン工学においては、まず対象(利用者や社会)を観察し、対象に共感することで未知の課題を想像し、課題に対する解決法・アイデアを考案(デザイン)します。次に工学的な技術を用いてアイデアを実装します。それを実際に利用してもらい、対象にとって課題が解決したかを評価します。このプロセスを何度も繰り返しながら、より良い方向に高めて行くことがデザイン工学の考え方です。

これを実現できる人材には、課題想像とアイデア考案を行う「デザイン思考」、実装のための「デジタル技術」、このプロセスを多くの人と協力しながら実施する「協創」の3つの力が求められます。なお、ここでのデジタル技術は、ソフトウェアだけでなく情報処理技術を用いた解析手法、シミュレーション手法、制御手法、評価手法などを広く意味します。

【カリキュラムの特色】

デザイン工学科の科目群は、共通科目、専門科目、プロジェクト科目から構成されています。共通科目は、対象(利⽤者や社会)の視点から課題を想像するデザイン思考⼒を育成する科目です。社会の多様性を理解し、また多面的に物事を考えるための教養や倫理感を身に付けるため「教養科⽬」「英語科⽬」「産業・社会科⽬」があります。またデザイン対象としての人間を理解し提案するための「人間中心科目」、対象や評価結果の分析ならびに専門科目の基礎となる「データ・サイエンス科目」があります。デザイン工学のプロセスを進めるための手法を学び、実際に使ってみる「リサーチ科目」も共通科目に含まれます。デザイン工学を学ぶ上で必須の科目については、卒業要件上での単位数や個別の必修科目として指定されています。

専⾨科⽬は、アイデアを検討し、具現化(実装)するための科目です。「デザイン科⽬」は、アイデアを深め、意匠的に表現することで具体的イメージを提示する力を養います。アイデアを形のある実際の製品として実現するための専門知識を修得する「⽣産⼯学科⽬」、アイデアを形のないソフトウェアで実現するための「ソフトウェア科⽬」、実際の動作をともなうものを実現するための「知能・制御科⽬」があります。特にデザイン科目の「デザイン基礎演習」とソフトウェア科目の「情報処理入門」は、デザイン工学のプロセスにとって必須のものであり、学科全体の必修科目となっています。上記の広い意味でのデジタル技術は、この専門科目により養われます。

プロジェクト科目は、共通科⽬と専⾨科⽬で修得した⼒を実際に試してみる、実践型教育の場を提供します。一般には「卒業研究」と呼ばれる科目であり、デザイン工学科では3年生からこれに取り組みます。プロジェクト科目や他の多くの演習科目を通して、協創する力を身に付けることができます。

【学年進行と研究室配属】

年次進行にあわせて基礎的な科目は低学年次に、専門性や応用性の高い科目は高学年次に配置されています。1年春学期では基礎的な科目が多く、結果的に3コースともに共通の科目が多くなります。1年秋学期から徐々に専門性のある科目が増えていきます。2年次では専門分野の基礎となる科目が増え、これらを学ぶ中で自分にあった専門性を理解し、修得して行くことが期待されます。

3年次では、最初のプロジェクト科目が始まり、いわゆる研究室配属があります。研究室の担当教員のアドバイスを受け、自分の専門性にあった科目を履修します。なお、自分の専門性について考え研究室配属に備えるために、1年秋学期「ラボ探究」と2年秋学期「ラボ探訪」があります。さまざまな研究分野を知ることができるようにシラバスが設計されていますので、自分の専門性を決めつけないで、広く考えるようにしてください。(なお、「ラボ探訪」は研究室の多くが豊洲キャンパスにあるため、豊洲で開講されます。注意してください。)

4年生の総合プロジェクトは、3年間修得した知識を実践的に使うことで本当に自分の力とするための集大成の科目です。これによりディプロマ・ポリシーを満たす力を身に付けることができます。


3 各コースの特色


デザイン工学科には、3つのコースがあります。上に書いたデザイン工学のプロセスは、どのコースでも共通です。コース間の違いが出るのは、主に実装技術の部分です。このため主に専門科目とそれに関連する共通科目の部分で、コースで履修すべき科目が変わってくることになります。コースとして推奨する科目履修例が提示されますので、基本的にはこれに従って履修してください。ただし、一部履修人数が制限される科目を除いて、どのコースの学生も任意の科目を履修することは可能です。

【社会情報システムコース】

実社会における問題は複雑に入り組んでおり、アイデア一つで全てが解決するという単純な話ではありません。それを解決するためには、まずきちんとデータを取得し、データに基づいて問題解決を探らなければなりません。そして社会を構成する多様な人々を意識した問題解決案を提案し、それを実現します。ここではシステムの考え方が重要です。例えば、農作物のための鳥獣監視を考えると、どこにどのようなセンサーを設置するか、監視の基準は何か、誰にどのような情報を通知するか、通知に対応できなかった時はどうするかなどを総合的に考え、システムとして実現しなければ意味がないのです。このためには、データ・サイエンスと情報処理技術を修得することが必須です。それに加え、さまざまな問題領域に対応するための基礎知識と、応用の経験が求められます。

カリキュラムとしては、基本的なデザイン思考の方法論、データ・サイエンス、情報処理技術などを中心に学びます。1年は基礎的な科目ですが、情報処理系の科目だけでなく、力学や化学など将来必要になる可能性がある分野の基礎科目が配置されています。これらは後で必要になった時に勉強するのでは間にあわないため、1年生から履修することが大切です。2年春学期の「社会問題演習」はコース必修科目であり、ここでは社会問題を解決する方法を具体例によって学びます。3年では、研究室によって専門性が大きく異なってくることがこのコースの特徴です。「社会実装演習1・2」は、複数の教員がそれぞれの専門をミックスして教える特徴的な科目です。これは当該教員の研究室に所属していない学生も履修可能です。

専門科目としては、ソフトウェア科目と知能・制御科目を中心に履修します。ただ、前述のように社会問題という幅広いターゲットを研究しますので、生産工学科目やデザイン科目も関連があります。範囲が広いコースですので、特に3年次の科目履修に当たっては担当教員のアドバイスを聞き、また将来の進路についてもよく相談するようにしてください。

【UXコース】

近年の産業界のフォーカスは「モノからコトへ」とシフトしており、「コト」として商品やサービスによって得られる体験価値(UX、User Experience)が注目されています。これをデザインすることをUXデザインといいます。このためには、目に見えない情報に対する理解が必要で、それらを収集・分析し、的確に操り、適切に表現・伝達できる能力が必要です。具体的にはユーザーインタフェース(UI)設計能力、プログラミングやソフトウェアの設計能力などが必要です。

カリキュラムとしては、主に論理的なデザイン手法、情報表現手法、そしてソフトウェアの企画・設計・開発手法を学びます。特に1年秋学期のコース必修科目「UXデザイン演習」ではUXデザインの基本的なプロセスと手法を体験し、デザインの基礎を学びます。2年次は人間中心設計概論にてUXデザインの考え方、プロセス、マインドセットを学び、インターフェイス概論やコンテンツデザイン演習にてデザインスキルを修得します。3年次は実践力を身につけます。

専門科目としては、デザイン科目とソフトウェア科目が中心になります。人工知能に興味がある人は、知能・制御科目の一部を履修しても良いでしょう。

UXデザインを勉強していてソフトウェア作りに興味が出てきたり、両方をやってみたいという人もいるかもしれません。デザイナーがプログラミングや実装をする会社も珍しくなく、またソフトウェア技術者がUXデザインを行っている組織もあります。3年次の研究室配属後は担当教員と相談しながら、履修科目や自分の専門を決めて行くようにしてください。

【プロダクトコース】

今後のグローバル化する社会では消費者の感性に訴える多様な製品をデザインし製造することを迅速に進める必要があります。プロダクトコースでは、調査・企画から設計・製造、宣伝・販売までをトータルに考え、製品の魅力を高める能力を養成します。そのために、デザインの手法やプロセスを学び、総合的なアプローチのできる豊かな感性を身に付けます。また生産工学を学ぶことにより、材料や加工技術がもつ特性を実際のデザインに応用する力を修得します。

カリキュラムとしては、主に論理的なデザイン手法、製図・設計手法、そして生産技術の基礎である力学・材料から加工法やシミュレーションまでを幅広く学びます。特に1年秋学期のコース必修科目「製図演習2」では2次元CADと機械製図を学びます。プロダクトコース全体の基礎となる重要な科目です。2年の「プロダクトデザイン演習1・2」ではデザインの一連のプロセスについて実践を通じて学ぶことが出来ます。3年では「エルゴノミクスデザイン演習」を始めとして専門分野の科目が中心になります。自身の専門性と関連する科目を指導教官と相談して履修しましょう。

専門科目としては、デザイン科目と生産工学科目が中心になります。2年、3年と学年が進むに連れ、自分の専門性にあわせてどちらかに重きを置くようになって行きますが、どちらの科目も重要ですので偏らないように履修してください。また、1年春学期の「情報処理入門」でソフトウェアに興味をもった人は、ソフトウェア科目を履修しても良いでしょう。

近年はデザイナーとエンジニアの境界は、先進的なCADツールなどの登場によって曖昧になってきており、意匠的なデザインをメインにしてものづくりに携わるにしても、エンジニアの立場でものづくりを実践するにしても、さまざまな進路が考えられます。3年の研究室配属後は担当教員と相談しながら、履修科目や自分の専門を決めて行くようにしてください。


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